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8.05.2012

It's August!


きゃー!
気づいたらもう8月!
あっという間に月日が過ぎていきます。
毎日仕事に追われて、最近はなかなかパソコンに向かう時間がない。
それにしてももうすっかり夏本番。
温度の暑さというよりはこの湿気の多さにぐったり。

でも、そんな夏より熱いのが、ロンドンオリンピック!!
毎日寝不足になりながら見ています。
本当に4年間の集大成って感じで、それが報われた人も、また悔しさに涙する人も。
いろんな想いがあって見てるこっちも熱くなります。
柔道とかは金メダル候補っていわれてた人たちが早い段階で負けたりして
涙暮れる姿をみるとこっちまで胸が痛くなってしまって。
男子サッカーは正直全然期待してなかったのに次々と上に向かっていって
そっちは逆にびっくりだったり。
体操では内村くんはやっぱりすごかった!あの笑顔が素敵でした。
最近本当に頑張る人を見ると泣けるっていうね(笑)
年なのかしら。アラサーだしね(笑)

さて此処からは最近見た・読んだものたちをまとめて。



モンスターU子の嘘/越智月子
なんかタイトルとこのなんともいえない表紙が気になって購入。
U子が怖い!とか書いてあってある意味ミステリー調なのかな。
この女の人がどんな人なのかというのがずっと事件を辿りつつ書いてあって
確かに興味引かれて読んでいったんだけど、正直期待が大きすぎたのもあったかな。
最後まで読んで、ほうほうって感じで終わってしまった。
でも女ってほんとしたたかな生き物だわ。



銀の匙/荒川弘
絶対自分から買わないし、自分から選んで読むことはないジャンルなんだけど
友達が貸してくれたので暇つぶしに読むとなかなか面白かった。
舞台は北海道。札幌の進学校に通っていた主人公が、農業高校に入る話。
『食べる』ことの本当の意味とか、やりたいことへ対しての姿勢とか迷いとか
なんかそういうものがこの農業高校生活を通して描かれていて結構面白い。
現在は4巻まで出てる模様。



姉の結婚/西 炯子
いやはや、どんどん泥沼にはまっていくヨリ。
なんか見ていて途中苛々しながらも、ついついやめらんない。
正直、私はヨリみたいなタイプはよくわからん。
でもこの抗えない気持ちみたいなのがやっぱり恋なのかなー。
一直線にはなかなか進めない大人の恋。厄介だわね。
私は結構あっさりと結婚したので、
ここまで結婚ってなんなんだろうって考えることはなかったけど
やっぱり大人になればなるほどしがらみは多くなるものだろうし
なかなか一筋縄ではいかないんだろうなぁ。

"偶然"や"思い込み"のことを
昔はそう呼んでいたわ
もうそんなふうには思わない
あれも これも 私の"選択"の結果だわ
もう"偶然"を"運命"だなんて思い込んだりしない
でないと いつまでも私は自分の過去を「何か」のせいにし続けてしまう
失ったもの 消えない痛み すべて
すべて私が選んだのよ
これからも私が選ぶわ


 
青空エール10巻/河原和音
先輩との距離をどうにか縮めようとするつばさと大介。
相変わらずみんな熱い!(笑)
なんか「姉の結婚」を読んだあとこっち読むと、ギャップにびっくり(笑)
今回は相変わらず頑張る部活の風景がメインなんだけど
やっぱり大介の気持ちが少しずつ見えてきたよね。
今まで意識してなかったのが、明らかに大介はつばさを好きになってるもんな。
でも馬鹿正直にまっすぐで熱い二人だから、ほんと可愛い(笑)





7.02.2012

最近読んだ本。

ついつい忙しくてブログを放ったらかしなんだけれども
ちょこちょこと本を読んだり、ドラマを見たりはしてます。
ひとつひとつあげる時間が残念ながら今はないので、ちょっとまとめて。


あしたはうんと遠くへいこう/角田光代

角田さんの随分前の小説。
直球恋愛小説とのことなんだけれども
私はどうも主人公に苛々してしまって!!
お前いったいどうしたいんだ!と始終考えながら読んだため
感情移入ができなくて。
もともとあんまり恋愛体質ではない私には、彼女の気持ちがわからない。
でも、主人公の行動だったり、友達の町子もどうしようもないんだけど
そのどうしようもないところが『恋』なのかもしれないなぁなんて思いつつ。
町子が不倫相手の子を攫ってくるところがあるんだけど、もしかしたら
「八日目の蝉」 の原点はここにあるのかな?なんて勝手に想像しちゃったりして。



ひそやかな花園/角田光代

またまた衝撃的なテーマを扱った作品だけれども
改めて、私は角田さんの描く『家族』のテーマの話が好きなのかもと。
『八日目の蝉』や『ツリーハウス』でもそうだったし。
家族って本当にその人を形成する原点だよなぁ、と。
一番近いようで、一番遠い。
近すぎるからこそわかりあえないこともあるし。



君に届け 16巻/椎名軽穂

もう16巻!今回の表紙はあやねちゃんとケント。
この二人くっついて幸せになってほしいなー。
意識しはじめたあやねちゃんが可愛い。
龍とちづちゃんもなんか可愛いし。ほんとみんな青春だわ。
みんなの恋模様もなんだけど、爽子とあやねちゃんと、ちづ。
この3人の友情物語もこの漫画の魅力よね。



7SEEDS 22巻/田村由美

相変わらずすごい!
本当に読むたびに田村先生って一体どうやったらこんなこと描けるのか、と
感心する一方です。今回もぐいぐい引っ張られる。
藤子とちさちゃんと遭遇した花。
よかったよかった。
色々乗り越えてみんなまた強くなっていくね。
今回荒巻さんとあゆちゃんの回もよかったな。
新巻さんと触れ合ううちに少しずつ変わっていくあゆちゃん。
この二人も互いにないものを持ち合ってるから、いい意味で刺激があるよな。
さて、またなんかこれから嫌なことが起こりそうな予感で終わってしまったけど
一体どうなっていくのか……!本当に毎回目が離せない!



6.10.2012

空中都市/小手鞠るい

失われたものの大きさに打ちのめされながらも、最初に戻ってやり直す。そうすることでしか、人は自分を理解できない。後悔だけはしたくない。若い頃は私も、そう思っていた。でも今は違う。後悔しなくてはならないのだ。後悔こそが大切。後悔に後悔を積み重ねて、人は強く、優しくなっていく。自分を理解するために、必要な後悔というのがある。(219)

本屋さんで飾ってあるのを見つけて、なんとなく手が伸びた。
ぱらっとめくって、少し読んだら読みたくなっちゃってお買いあげ。
文庫じゃないけど買っちゃった。

この小手鞠るいさんの名前って結構見かけてきたんだけど
今まで手を出したことがなくて、今回初。
すごく読みやすいです。

過去を振り返る母と、現代を生きる娘との時空が行き来する。

あっさりと読めるのだけれどもなんか素敵な話だった。
なんとなく昼下がりの午後に読みたい。
そして元気がなくなったとき、何かを見失いそうな時に読んだらよさそう。

あとがきで知ったのだけれども、これっていくつかのシリーズがあって
それの完結編だったみたい。
知らずに読んでも全然楽しめたけど、
このシリーズを読んでまたこれを読み返すのもいいかも。





4.20.2012

家守綺譚/梨木香歩

これは、つい百年前の物語。
庭・池・電燈つき二階屋と、文明の進歩とやらに棹さしかねてる「私」と、
狐狸竹の花仔竜小鬼桜鬼人魚等等、
四季折々の天地自然の「気」たちとの、のびやかな交歓の記録。

普通に考えるとありえないようなことなのに
なぜかすぅっと日常のひとこまのように描かれる『私』の生活。
四季折々の季節感を盛り込んだのはやはり梨木ワールドという感じで
静かに縁側なんかで読みたい一冊。

絶賛されてたので随分前から読みたいと思いつつも
なんとなく堅苦しいイメージを受けて、なかなか手をつけずにいた。
読み始めてからも正直最初はその雰囲気に慣れるのに時間がかかったけど
気づくとなんともいえないこの世界観のなかに入り込んでしまっていた。

なんだか飄々とすべてを受け止めて
共存していきている『私』を通して
世界を見る目がちょっと変わるような、そんな感じ。

たまにふっと読み返したくなりそう。

4.16.2012

青空エール 9巻/河原和音

……見えたよ
大介くんの後ろに
甲子園が見えたよ

なんか今回表紙がすべてを物語ってるような気がするよ。
足を怪我しちゃった大介。
甲子園という大きな夢に向かって頑張ってきた彼の怪我ということで
つばさにとってもショックは大きくて。
それでもこの二人の前向きさ、明るさはすごいな!
今回のことで二人の距離はまた縮まったんじゃないのかな。
目指すものがあって、それに向かって互いに励ましあっていくっていいよね。

そしてもうひとつの大事件が、2年生をさしおいて
1年の水島がパートリーダーになったこと。
あの調子の水島だから、もちろん先輩だからって関係ないわけで大荒れ(笑)
きっとこれからつばさが持ち前のまっすぐさで支えていくんだろうけど
吹奏楽部も野球部も大変だ(笑)
 

3.22.2012

いつも異国の空の下/石井好子


石井さんのお料理エッセイを買った時に隣にたまたま並んでいて、
こちらも面白そうだったから一緒に買っていたのを読み終った。
こちらは彼女の歩んできた道、シャンソン歌手として彼女が経験してきたことが語られている。

彼女が海外に飛び立ったのは、昭和25年。
終戦からまだそんなに時が経っていない時に彼女はサンフランシスコへ向かった。
いまの時代だから留学なんて珍しいことでもないけど
この当時、きっと彼女のように女が独り海外へ出て行くなんてとても珍しいことだったんだろうな。

サンフランシスコ、NY、パリ、ドイツ、スイスにキューバ。
彼女が旅した国は数多く、その都度彼女が感じたことがとても素直に書かれている。
彼女の書くエッセイが面白いなと思うのは、決して気取ってはいないこと。
見たものを見たままに、感じたことを感じたままに書かれてるような気がするから
なんだかすっと入っていける。

あまり知りえないこの時代の各国の芸能事情(歌手としての生き方)。
それにあわせて、ところどころからその時代の時代背景もみえてくる。


読みながら、やっぱりこの石井さんって人は
なんともバイタリティーある人だったんだな、と感じた。
ひとりの女性の歩んできた道として、読んでいてなかなか面白かったです。



3.14.2012

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる/石井好子

お料理はなんのきまりもないのだから、とらわれないことだ。それから自信をもってまな板に向かうことだ。こんな材料ではおいしいものがつくれる筈はないと思う前に、これだけのものでどんなおいしいものをつくってみせようかと考えるほうが幸福だと思う。 ―「巴里の空の下オムレツの匂いは流れる」(117)より

前にmarieちゃんが紹介してたのを読んで以来、読みたいなと思ってた本。
ちょうどジュンク堂に行った時に見つけたので
姉妹本の「東京の空の下オムレツのにおいは流れる」とともにお買い上げ。

まずタイトルが素敵だよね。おいしそう♡
(中でこのタイトルはシャンソンの歌のタイトルをもじってつけたものだ、ってあるけど)
シャンソン歌手の石井好子さんの食べることがすき、作ることがすき、という
その想いが文章の端々から滲み出ていて
なんとも読んでいて幸福な気持ちになってしまうエッセイ本。
食べ物の描写がすごくうまくて、その香りや風味なんかも情景に浮かんでしまう。

お仕事柄世界各国を旅されてるから、お料理も多国籍。
パリでマダムが作ってくれたオムレツだったり
イギリスの紅茶の話だったり
スペインのヴァレンシア風のごはん(パエリア)だったり。

お料理と旅エッセイがごっちゃになった感じでどちらも好きな私には嬉しい。
食べ物というのはその国の文化の一部。
この本では、それぞれの国の食べ物の話をしながら、その国の文化も垣間見れる。
そこがまた私にはたまらない。

何気ない口調で書いてあるけど、この人は随分観察力の鋭い人だったんだろうな。
ありありとその様子が思い浮かべられるように描写するのって案外難しいもの。

そして驚いたのが1963年の「暮らしの手帖」から単行本になっているということ。
50年近くも前に書かれているというのに、まったくそれを感じさせないというのはすごい!
言われなければきっと気づかないかもしれない。
それほど時代を感じさせない(いい意味で)なんて素晴らしい。
時代が変わってもいいものは、いい。とはいうけれど、まさにこの本はそれを証明してる。

いくつかかいつまんでお話しましょう。

*オムレツのはなし。
私も石井さん同様、昔から卵料理は大好き。
確かにオムレツはできたてを食べるのが一番美味しい。
それに比べてお弁当の卵焼きってのは、さめても美味しいのだから優れものよね。
本書で、アメリカのチーズオムレツが美味しくない話をされてたけど、まさにその通り。
卵好きな私としては朝ご飯かブランチで外食するとついついオムレツを頼むんだけど
アメリカに住んでる間は、それで何度も失敗したものです。
まずチーズを入れすぎてて卵本来の味が消されちゃってるのが悲しいところ。
色んなところで食べるけど、アメリカで「これはっ!」と思う卵料理に出会ったことはあまりない。
"オムレツの作り方を知らないのか、手間をかける時間がおしいのか、どちらかは知らないけれど、やはり親切心がたりないのと、食べものに愛情を感じていないせいだとおもう。"―「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」(11)より
と、あるんだけどこれはあながちあたってるのよね。
アメリカ人が食べ物にたいしてあまり愛情を持っていないという話は
他の章でも触れられてたけど、私もそれは長いことアメリカに住んでいて感じたこと。
あくまでアメリカ人にとって"食"とは空腹を満たすための"食"のような気がするんだよね。
もちろん食べることが好きな人、作ることが好きな人もいるし、美味しいものもたくさんある。
それでもアメリカという国を大きく括ってしまってみたときに
石井さんの言葉を借りれば"食べものに愛情を感じていない"というのは一理あると思う。
食べることに対する執着心があまりないように思う。

*ご馳走することについて
石井さんの本を読んでると、彼女は本当に人に食べさせるのが好きなんだな、と思う。
私も人を呼んで手料理を食べさせるっていうのは結構好きで
最近は2週間に1回くらいの割合で、テーマをつけて料理を作って招いたりしてる。
で、石井さんは旦那か誰かが急に誰かを連れてきた時、
ご馳走しようと思わなければいい、と言ってる。
まさにその通りよね。
でも、せっかくだから……とついついあれこれしたくなっちゃうってのもあるんだけど。

*じゃがいものはなし。
戦時と戦時後に石井さんがよく食べていたというじゃがいも。
さつまいもよりじゃがいもが好きだという彼女。私もどっちかというとじゃがいも派。
ベークドポテトも、マッシュポテトも、ハッシュブラウンも、コロッケもポテトサラダも大好き。
そしてそのじゃがいもの話の締めが"こんなに、じゃがいも料理に目がない私だけど、あまりじゃがいもばかり食べるとスタイルまでじゃがいも型になりそうだ"(177)とあってなんだか可愛い(笑)

*ロールキャベツのはなし。
私もロールキャベツってどこの料理なんだろう、と思ったことがあった。
アメリカで今まで見たことなかったのに、数年前のクリスマス
旦那の祖父母の家にいったとき、出てきた料理がロールキャベツだった。
そのロールキャベツは煮込んでなくて、オーブンで調理してあったけど
見た目はまさにロールキャベツ。味もそうだった。
私はてっきりロールキャベツはどこからか伝わってきて勝手に日本人が
手を加えていまのロールキャベツというスタイルになったものだと思ってたけど
石井さんの本を読む限り、ドイツでもスウェーデンでもあるんだね。
"上にかけたチーズの粉がこんがりと狐色にやけて、チーズのこげるにおいと、ホワイトソースの甘い香りが、部屋じゅうにただよう。ぐつぐつぐつぐつ、まだ皿の中で煮立っているグラタンを、食卓に持ってゆく。そして、大きなおさじで一人一人のお皿にとりわける。とろっとしたホワイトソースに包まれて、ロールキャベツは、ほかほか湯気を立てている。ここまで手をかけると、ロールキャベツも、立派な一品になるのだった。"―「東京の空の下オムレツの匂いは流れる」(10)より
これを読んで、私のロールキャベツ食べたい熱に火がついたのでさっそく作ってみた。



石井さんが書いていたようにホワイトソースの中にロールキャベツを煮た残りのスープを
加えたら本当に味が濃くなってとても美味しい。
ことことじっくり煮込んだので、とろっと口の中でとろける。
やっぱり時間をかけるとそれだけ美味しくなる。

そんなわけで他にも色々と食欲や料理欲をそそられる話が
たくさんあって、なんとも素敵な本でした。
marieちゃん、紹介ありがとね♡


3.07.2012

ツリーハウス/角田光代

闘うことも逃げることもせず、やすやすと時代にのみこまれんなと祖母は言ったのではなかったか。祖母たちの生きた時代のように戦争が今あるわけではない。赤紙がくるわけではない、父たちが生きた時代のように上がり調子なわけではない、浮ついた希望が満ち満ちているわけではない、今は平和で平坦で、それこそ先が見通せると錯覚しそうなほど平和で不気味に退屈で、でもそんな時代に飲み込まれるなと。(457)

角田光代さん、またまたなんとも読み応えのある本を書いたな!というのが第一印象。
結構分厚いけど読みながら、なんだかその時代を生きてるような気分になった。
正直どの主人公にもあまり共感はできない。苛立ちさえ覚えることもあった。
それでも読み始めると、なかなか止まらない。

翡翠飯店という小さな中華料理屋の三世代を描いた作品で祖父の死をきっかけに
孫の良嗣は何の干渉もしない自分の"根無し"家族のルーツに興味を覚える。
そこから、現代、戦時、経済成長期の頃と藤代家とともに物語りは時代を行き来する。

この孫が自分の家族のルーツ探しに出た時に、
もしかしたらものすごい過去があるのかもしれない、と何処かミステリー小説気分で読み始めた。
でも正直あまり浮き沈みもない。淡々と描かれる藤代家の三世代の様子。
それなのに、なんだかわからないけれど目が離せない。
読んでいくうちにまさにこの家族がこうなった歴史というのが見えてくるから面白い。
血はやはり争えないな、と。

祖父母の時代、父母が生きた時代、そして現代。
時代はまるで違う。
それなのに彼らの生きてきた道を辿ると、
まるで何も変わってなかったんじゃないかとさえ思ってしまう。
生きて、子が生まれ、そこから繋がっていく。
たとえ"ただ生きてきた"だけに見えても、それさえしないと歴史はできていかない。

根無し草でも、ツリーハウスのように多少グラグラしても
それでもそこに確かにある"家族"というもの。


3.05.2012

姉の結婚1・2巻/西 炯子


「娚の一生」で、なんとなく嵌ってしまった西 炯子の新しい恋愛漫画。
あらすじには"オトナの男女のための不器用系恋愛バイブル"とあるけど
いやはや、大人の恋愛とはなんたる面倒くささ。
これを読むと 「娚の一生」の教授がなんて可愛いことやら(笑)

ひとりで静かな生活を送ろうと決めたアラフォー女子、ヨリの前に
超イケメンの中学時代の同級生だという男が現れる。
男は愛を囁きながらも、ヨリにそっくりな女性と結婚していて
あれよあれよというままに面倒な関係になっていく。

この男が確かにイケメンでキラキラしてるんだけど、
明らかに変人なんだよね。そしてストーカーまがい(笑)
1巻はなんとなく……と思ってたんだけど、2巻から面白くなってきた。

ヨリは踏み込まないために、防御法として「ルールを守って楽しく不倫」を提案。
とりあえずさくっとセックスして、自分で主導権握って”恋愛に振り回されない女”を
演じようと必死のヨリなんだけどいまいちそれになりきれてないんだよね。
なんか二人とも微妙にズレてて、本当に不器用なのもいいところです(笑)

これからこの二人がどうなっていくのか、見守っていきたいな。


3.02.2012

不思議な羅針盤/梨木香歩


梨木香歩さんといえば有名な作品は『西の魔女が死んだ』。
私も大好きな作品で、そこからいくつか彼女の本は読んでいるのだけれどもエッセイは初。
ちょうどジュンク堂で彼女の本が飾ってあるセクションがあって
(彼女は鹿児島出身だったのね。というのもこのエッセイで知って、納得)
そこでなんとなくこのタイトルと、青い空と草という帯に惹かれて手に取った。
立ち読みしてみると「あ、これはゆっくりと読みたいな」と思ってさっそく購入。

このエッセイは雑誌『ミセス』に連載されていたものをまとめたもの。
(年齢的にはうちのママ年代の方たちかな)
同年代の人とおしゃべりするような気持ちで書いた、とあったけれど
梨木さんの丁寧な生活が垣間見れて、とても心穏やかに読むことができた。
草花のこととか、鳥のことだったり、彼女が小さい頃の話だったり。 
ひとつひとつのエッセイを読みながら、
なるほどこういう人だからあんな風な作品が生まれるのか、
と、妙に勝手に納得してしまうエッセイ集だった。

距離を移動する、それだけで我知らず疲労してゆく何かが必ずあるのだ。このマクロにもミクロにもどんどん膨張している世界を、客観的にわかろうとすることは、どこか決定的に不毛だ。世界で起こっていることに関心をもつことは大切だけれど、そこに等身大の痛みを共有するための想像力を涸らさないために、私たちは私たちの「スケールをもっと小さく」する必要があるのではないだろうか。スケールを小さくする、つまり世界を測る升目を小さくし、より細やかに世界を見つめる。―― 9.「スケール」を小さくする より

確かにグローバル化している現代、色んな情報が溢れていて
FacebookやらTwitterやら色んなツールですぐに世界に発信できる。
その面白さはもちろん感じているけれど、同時にそこに頼りすぎている部分もある。
まずは自分の手の届く範囲に気配りを。
梨木さんの言葉を借りるなら"より細やかに世界を見つめる"ということも大事だ。

15章に特別編として"「魔女」はきっと、直感を正しくつかう"という章があるのだけど
この章が私的にはなんだか好きだった。

もう、だめだ、と思ったら逃げること。そして「自分の好きな場所」を探す。ちょっとがんばれば、そこが自分の好きな場所になりそう、というときは、骨身を惜しまず努力する。逃げることは恥ではない。津波が襲って来るとき、全力を尽くして逃げたからといって、誰がそれを卑怯とののしるだろうか。逃げ足の速さは生きる力である。津波の大きさを直感するのも、生きる本能の強さである。いつか自分の全力を出して立ち向かえる津波の大きさが、正しくつかめるときが来るだろう。そのときは、逃げない。―― 15.「魔女」はきっと、直感を正しく使う より

梨木さんが人間関係にがんじがらめになっている子供たちにいってあげたい言葉
というのに「シロクマはハワイで生きる必要はない」というのがあった。
そこでどうしても生きていけなかったら、逃げてもいいのだよ、ということ。
でも、それだけじゃない。
いつか自分できちんと見極められるようになった時は、逃げない、ということ。
優しさとともに、たくましさを感じる言葉に、なんだか私も慰められた。


とにかく素敵なエッセイの集まりで、ひとつひとつじっくりとたのしめた。


2.27.2012

しあわせのパン/三島有紀子


「きっと好きなものを集めると、好きな人が集まってくるんだね」
りえさんはこうも言いました。
「私にもできることあるのかな」
ボクは、あるよ、と一生懸命伝えました。
「いろんなことが、まわりまわってるんだよ、きっと」

映画があることは知っていて観たいなぁと思ってたんだけど
その原作の本があるということをariさんのところで知ったのでさっそく購入。
本を読んでますます映画も観たくなったんだけど、なぜか鹿児島だけ公開予定がないっ!
なぜ!?マルヤガーデンズとかでやってそうなのに。

物語は北海道の月浦という小さな町にあるカフェの中で起こる。
そこを営む”夫婦”の元に訪れる人々や周りの人、そして彼ら自身の話。
ひとつひとつのタイトルがまたなんだかツボなのだ。

「さよならのクグロフ」
「ふたりぼっちのポタージュ」
「壊れた番台とカンパニオ」
「カラマツのように君を愛す」

読み終わった後すごくほんわかとして、暖かい気持ちになった。
自分の生活の仕方を見直すとともに隣にいる人を大切にしたくなる、そんな一冊。
読みやすくて短い本だけど、その情景がありありと浮かんでなんだかパンの香りまでしてきそう。




小説の中に出てくる絵本「月とマーニ」が本の後ろについていてそれも素敵。
蒼い背景が印象的で素敵な絵本なので、これだけでも満足。

何度も読み返したくなる一冊になったのでおススメ。