これは、つい百年前の物語。
庭・池・電燈つき二階屋と、文明の進歩とやらに棹さしかねてる「私」と、
狐狸竹の花仔竜小鬼桜鬼人魚等等、
四季折々の天地自然の「気」たちとの、のびやかな交歓の記録。
普通に考えるとありえないようなことなのに
なぜかすぅっと日常のひとこまのように描かれる『私』の生活。
四季折々の季節感を盛り込んだのはやはり梨木ワールドという感じで
静かに縁側なんかで読みたい一冊。
絶賛されてたので随分前から読みたいと思いつつも
なんとなく堅苦しいイメージを受けて、なかなか手をつけずにいた。
読み始めてからも正直最初はその雰囲気に慣れるのに時間がかかったけど
気づくとなんともいえないこの世界観のなかに入り込んでしまっていた。
なんだか飄々とすべてを受け止めて
共存していきている『私』を通して
世界を見る目がちょっと変わるような、そんな感じ。
たまにふっと読み返したくなりそう。
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