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8.05.2012

It's August!


きゃー!
気づいたらもう8月!
あっという間に月日が過ぎていきます。
毎日仕事に追われて、最近はなかなかパソコンに向かう時間がない。
それにしてももうすっかり夏本番。
温度の暑さというよりはこの湿気の多さにぐったり。

でも、そんな夏より熱いのが、ロンドンオリンピック!!
毎日寝不足になりながら見ています。
本当に4年間の集大成って感じで、それが報われた人も、また悔しさに涙する人も。
いろんな想いがあって見てるこっちも熱くなります。
柔道とかは金メダル候補っていわれてた人たちが早い段階で負けたりして
涙暮れる姿をみるとこっちまで胸が痛くなってしまって。
男子サッカーは正直全然期待してなかったのに次々と上に向かっていって
そっちは逆にびっくりだったり。
体操では内村くんはやっぱりすごかった!あの笑顔が素敵でした。
最近本当に頑張る人を見ると泣けるっていうね(笑)
年なのかしら。アラサーだしね(笑)

さて此処からは最近見た・読んだものたちをまとめて。



モンスターU子の嘘/越智月子
なんかタイトルとこのなんともいえない表紙が気になって購入。
U子が怖い!とか書いてあってある意味ミステリー調なのかな。
この女の人がどんな人なのかというのがずっと事件を辿りつつ書いてあって
確かに興味引かれて読んでいったんだけど、正直期待が大きすぎたのもあったかな。
最後まで読んで、ほうほうって感じで終わってしまった。
でも女ってほんとしたたかな生き物だわ。



銀の匙/荒川弘
絶対自分から買わないし、自分から選んで読むことはないジャンルなんだけど
友達が貸してくれたので暇つぶしに読むとなかなか面白かった。
舞台は北海道。札幌の進学校に通っていた主人公が、農業高校に入る話。
『食べる』ことの本当の意味とか、やりたいことへ対しての姿勢とか迷いとか
なんかそういうものがこの農業高校生活を通して描かれていて結構面白い。
現在は4巻まで出てる模様。



姉の結婚/西 炯子
いやはや、どんどん泥沼にはまっていくヨリ。
なんか見ていて途中苛々しながらも、ついついやめらんない。
正直、私はヨリみたいなタイプはよくわからん。
でもこの抗えない気持ちみたいなのがやっぱり恋なのかなー。
一直線にはなかなか進めない大人の恋。厄介だわね。
私は結構あっさりと結婚したので、
ここまで結婚ってなんなんだろうって考えることはなかったけど
やっぱり大人になればなるほどしがらみは多くなるものだろうし
なかなか一筋縄ではいかないんだろうなぁ。

"偶然"や"思い込み"のことを
昔はそう呼んでいたわ
もうそんなふうには思わない
あれも これも 私の"選択"の結果だわ
もう"偶然"を"運命"だなんて思い込んだりしない
でないと いつまでも私は自分の過去を「何か」のせいにし続けてしまう
失ったもの 消えない痛み すべて
すべて私が選んだのよ
これからも私が選ぶわ


 
青空エール10巻/河原和音
先輩との距離をどうにか縮めようとするつばさと大介。
相変わらずみんな熱い!(笑)
なんか「姉の結婚」を読んだあとこっち読むと、ギャップにびっくり(笑)
今回は相変わらず頑張る部活の風景がメインなんだけど
やっぱり大介の気持ちが少しずつ見えてきたよね。
今まで意識してなかったのが、明らかに大介はつばさを好きになってるもんな。
でも馬鹿正直にまっすぐで熱い二人だから、ほんと可愛い(笑)





7.02.2012

最近読んだ本。

ついつい忙しくてブログを放ったらかしなんだけれども
ちょこちょこと本を読んだり、ドラマを見たりはしてます。
ひとつひとつあげる時間が残念ながら今はないので、ちょっとまとめて。


あしたはうんと遠くへいこう/角田光代

角田さんの随分前の小説。
直球恋愛小説とのことなんだけれども
私はどうも主人公に苛々してしまって!!
お前いったいどうしたいんだ!と始終考えながら読んだため
感情移入ができなくて。
もともとあんまり恋愛体質ではない私には、彼女の気持ちがわからない。
でも、主人公の行動だったり、友達の町子もどうしようもないんだけど
そのどうしようもないところが『恋』なのかもしれないなぁなんて思いつつ。
町子が不倫相手の子を攫ってくるところがあるんだけど、もしかしたら
「八日目の蝉」 の原点はここにあるのかな?なんて勝手に想像しちゃったりして。



ひそやかな花園/角田光代

またまた衝撃的なテーマを扱った作品だけれども
改めて、私は角田さんの描く『家族』のテーマの話が好きなのかもと。
『八日目の蝉』や『ツリーハウス』でもそうだったし。
家族って本当にその人を形成する原点だよなぁ、と。
一番近いようで、一番遠い。
近すぎるからこそわかりあえないこともあるし。



君に届け 16巻/椎名軽穂

もう16巻!今回の表紙はあやねちゃんとケント。
この二人くっついて幸せになってほしいなー。
意識しはじめたあやねちゃんが可愛い。
龍とちづちゃんもなんか可愛いし。ほんとみんな青春だわ。
みんなの恋模様もなんだけど、爽子とあやねちゃんと、ちづ。
この3人の友情物語もこの漫画の魅力よね。



7SEEDS 22巻/田村由美

相変わらずすごい!
本当に読むたびに田村先生って一体どうやったらこんなこと描けるのか、と
感心する一方です。今回もぐいぐい引っ張られる。
藤子とちさちゃんと遭遇した花。
よかったよかった。
色々乗り越えてみんなまた強くなっていくね。
今回荒巻さんとあゆちゃんの回もよかったな。
新巻さんと触れ合ううちに少しずつ変わっていくあゆちゃん。
この二人も互いにないものを持ち合ってるから、いい意味で刺激があるよな。
さて、またなんかこれから嫌なことが起こりそうな予感で終わってしまったけど
一体どうなっていくのか……!本当に毎回目が離せない!



6.10.2012

空中都市/小手鞠るい

失われたものの大きさに打ちのめされながらも、最初に戻ってやり直す。そうすることでしか、人は自分を理解できない。後悔だけはしたくない。若い頃は私も、そう思っていた。でも今は違う。後悔しなくてはならないのだ。後悔こそが大切。後悔に後悔を積み重ねて、人は強く、優しくなっていく。自分を理解するために、必要な後悔というのがある。(219)

本屋さんで飾ってあるのを見つけて、なんとなく手が伸びた。
ぱらっとめくって、少し読んだら読みたくなっちゃってお買いあげ。
文庫じゃないけど買っちゃった。

この小手鞠るいさんの名前って結構見かけてきたんだけど
今まで手を出したことがなくて、今回初。
すごく読みやすいです。

過去を振り返る母と、現代を生きる娘との時空が行き来する。

あっさりと読めるのだけれどもなんか素敵な話だった。
なんとなく昼下がりの午後に読みたい。
そして元気がなくなったとき、何かを見失いそうな時に読んだらよさそう。

あとがきで知ったのだけれども、これっていくつかのシリーズがあって
それの完結編だったみたい。
知らずに読んでも全然楽しめたけど、
このシリーズを読んでまたこれを読み返すのもいいかも。





4.20.2012

家守綺譚/梨木香歩

これは、つい百年前の物語。
庭・池・電燈つき二階屋と、文明の進歩とやらに棹さしかねてる「私」と、
狐狸竹の花仔竜小鬼桜鬼人魚等等、
四季折々の天地自然の「気」たちとの、のびやかな交歓の記録。

普通に考えるとありえないようなことなのに
なぜかすぅっと日常のひとこまのように描かれる『私』の生活。
四季折々の季節感を盛り込んだのはやはり梨木ワールドという感じで
静かに縁側なんかで読みたい一冊。

絶賛されてたので随分前から読みたいと思いつつも
なんとなく堅苦しいイメージを受けて、なかなか手をつけずにいた。
読み始めてからも正直最初はその雰囲気に慣れるのに時間がかかったけど
気づくとなんともいえないこの世界観のなかに入り込んでしまっていた。

なんだか飄々とすべてを受け止めて
共存していきている『私』を通して
世界を見る目がちょっと変わるような、そんな感じ。

たまにふっと読み返したくなりそう。

3.07.2012

ツリーハウス/角田光代

闘うことも逃げることもせず、やすやすと時代にのみこまれんなと祖母は言ったのではなかったか。祖母たちの生きた時代のように戦争が今あるわけではない。赤紙がくるわけではない、父たちが生きた時代のように上がり調子なわけではない、浮ついた希望が満ち満ちているわけではない、今は平和で平坦で、それこそ先が見通せると錯覚しそうなほど平和で不気味に退屈で、でもそんな時代に飲み込まれるなと。(457)

角田光代さん、またまたなんとも読み応えのある本を書いたな!というのが第一印象。
結構分厚いけど読みながら、なんだかその時代を生きてるような気分になった。
正直どの主人公にもあまり共感はできない。苛立ちさえ覚えることもあった。
それでも読み始めると、なかなか止まらない。

翡翠飯店という小さな中華料理屋の三世代を描いた作品で祖父の死をきっかけに
孫の良嗣は何の干渉もしない自分の"根無し"家族のルーツに興味を覚える。
そこから、現代、戦時、経済成長期の頃と藤代家とともに物語りは時代を行き来する。

この孫が自分の家族のルーツ探しに出た時に、
もしかしたらものすごい過去があるのかもしれない、と何処かミステリー小説気分で読み始めた。
でも正直あまり浮き沈みもない。淡々と描かれる藤代家の三世代の様子。
それなのに、なんだかわからないけれど目が離せない。
読んでいくうちにまさにこの家族がこうなった歴史というのが見えてくるから面白い。
血はやはり争えないな、と。

祖父母の時代、父母が生きた時代、そして現代。
時代はまるで違う。
それなのに彼らの生きてきた道を辿ると、
まるで何も変わってなかったんじゃないかとさえ思ってしまう。
生きて、子が生まれ、そこから繋がっていく。
たとえ"ただ生きてきた"だけに見えても、それさえしないと歴史はできていかない。

根無し草でも、ツリーハウスのように多少グラグラしても
それでもそこに確かにある"家族"というもの。


2.27.2012

しあわせのパン/三島有紀子


「きっと好きなものを集めると、好きな人が集まってくるんだね」
りえさんはこうも言いました。
「私にもできることあるのかな」
ボクは、あるよ、と一生懸命伝えました。
「いろんなことが、まわりまわってるんだよ、きっと」

映画があることは知っていて観たいなぁと思ってたんだけど
その原作の本があるということをariさんのところで知ったのでさっそく購入。
本を読んでますます映画も観たくなったんだけど、なぜか鹿児島だけ公開予定がないっ!
なぜ!?マルヤガーデンズとかでやってそうなのに。

物語は北海道の月浦という小さな町にあるカフェの中で起こる。
そこを営む”夫婦”の元に訪れる人々や周りの人、そして彼ら自身の話。
ひとつひとつのタイトルがまたなんだかツボなのだ。

「さよならのクグロフ」
「ふたりぼっちのポタージュ」
「壊れた番台とカンパニオ」
「カラマツのように君を愛す」

読み終わった後すごくほんわかとして、暖かい気持ちになった。
自分の生活の仕方を見直すとともに隣にいる人を大切にしたくなる、そんな一冊。
読みやすくて短い本だけど、その情景がありありと浮かんでなんだかパンの香りまでしてきそう。




小説の中に出てくる絵本「月とマーニ」が本の後ろについていてそれも素敵。
蒼い背景が印象的で素敵な絵本なので、これだけでも満足。

何度も読み返したくなる一冊になったのでおススメ。


2.06.2012

あなたの呼吸が止まるまで/島本理生

舞踏家の父と暮らす12歳の少女、野宮朔。夢は、作家になること。一歩一歩、大人に近づいていく彼女を襲った、突然の暴力。そして、彼女が選んだたった一つの復讐のかたち。

2007年の作品だけど、読んだことなかったのでまた島本理生さん。
帯を読んだときにこれが父親の暴力だったら嫌だなと思ったんだけど
そうではなくてほっとしたと同時に、そっちの暴力の方かと違う意味で落胆。
本当に島本さんの本の中に出てくる男はしょうもない男ばっかり。

思春期のときに起こった出来事って、そこで世界が一変しちゃうもの。
昨日までみんなと同じものを見ていたようなのに
そのある出来事によって、自分の見ている世界とみんなの見ている世界が
まったく違うものに思えてしまうことがある。
それをあんな形で経験しなければならなかった少女が気の毒で仕方ない。

子供たちを守るべき存在の大人たち自体が子供なのだ。
そんな中で生きていく子供たちは自分で自分を守る術をつけていくしかない。


11.26.2011

陽だまりの彼女/越谷オサム


それは、一世一代の恋(うそ)だった。
彼女の秘密を知ったとき、ラブストーリーは前代未聞のハッピーエンドへ。

……という帯と、ポップな黄色の表紙が本屋で目を引いて買ってしまった1冊。
またまた初な作家さんなのだけれども、なかなか面白かった。
中学校の頃の同級生とたまたま仕事で一緒になって再会。
そこから二人の距離が少しずつ縮まって恋に落ちていく話。
というと、ありがちな恋愛小説だ。
まぁ確かに普通の恋愛小説なんだけれども、途中から『なぞ』が生まれる。
彼女の秘密とはいったいなんなのか。
幸せのなかに見え隠れする微かな不安。
いったいなんなんだろう、と読みながら主人公の彼とともに不安になってしまう。

そして最後に明かされる秘密。
少しずつ見えてくる付箋に、まさか、と思ってしまうのだけれども
こんなオチだったなんて!
これはラストで好き嫌いがわかれてしまいそう。
普通に考えてしまうとありえないんだけれども、
なんだかそういうのもありかなと思わせてしまう。
せつなくてかなしいのに、なんだかちょっと笑ってしまう、そんな不思議な話。

この作家さんのほかの作品もちょっと気になるな。

11.22.2011

植物図鑑/有川 浩


やっぱり有川先生の本は読み終わったあとのほんわか感がいいね。
今回も期待を裏切ることなく、なんだかほんわか、あったかい気持ちになった。
設定がまた少女漫画みたいなので乙女心がくすぐられる。
ついつい「きみはペット」を思い出しちゃうような設定なんだけど
あの漫画でモモは家事もできないダメダメペットなのに比べて
こっちの樹くんは、マメな上にお料理上手、ちなみに節約上手ときたら
私はこっちの樹くんの方を飼いたいです(笑)

表紙も可愛いけれど、中身も可愛いこの一冊。
色んな野花や草とかが出てきて、植物についてのちょっとしたマメ知識とともに
それらのお料理の話も出てきてついつい探索にいきたくなっちゃう。
野花の写真もついていて、最後にはレシピも載っててなんだか得した気分♪

こんなのありえない!と思いつつも
ときめいちゃうのは、やっぱり有川先生の腕どころなのか。
今回もうまいところ掴まれて、ちょくちょく読み返してはにこにこしちゃいそうな1冊。

11.11.2011

ダブル・ファンタジー/村山由佳


村山由佳さん久しぶりに読みました。
学生のころはよく読んでて、「野生の風」とか「青のフェルマータ」とかが好きで。
ちょうどアメリカ行ったあたりかなんかで「翼 Cry for the Moon」があって
舞台がアメリカのサウスウェストにしてあって共感覚えたりしたなぁ。
恋愛ものや学生ものも多いから青春小説みたいなのが多い印象もあって
しばらく遠ざかってた時期もあったんだけど直木賞受賞した「星々の舟」はよかった。
そうそう、村山さんのこういう話が好きなんだよ!と思ったのよね。

で、本題に入ると、この「ダブル・ファンタジー」はいろんな意味ですごい。
今までの村山さんの作品からするとがらり、と変わってる。
何かあったんだろうか?と思わせるような感じなんだけれども……。
年齢層もぐっとあがって、官能的で、性についてたくさん描かれてはいるけど
ある意味一人の女性の自分探しとも愛探しとも呼べるのかな。
性についてといえば村山さんの作品では「BAD KIDS」を思い描いちゃうけど
あれは完全に思春期だし、ある意味ピュアだけど、この作品はいろんな意味でどろどろ。

なんか女の欲望とか渇望とかいろんなものを見せられて
同性としては一種の嫌悪感を持ちながらも(同属嫌悪なのかな)、
わかる部分もあったりしてなんか複雑。
でも、一度読み出したら止まらなくなっちゃって
彼女はどこまで行くのだろうか、彼女の行く先は……と一気に読み終わった。
正直オチなんてものはないような気がする。
でもそれがやけにリアルというかなんというか。
もしもっと若いときに読んでたら正直嫌悪感だけが残りそうな気もする。
よくわかんないや、で終わるような気もする。
でも30近くなってなんとなくわかるような。(でももうちょっと年とって読んだら更に違うかも)

好きか嫌いかといわれるとどっちとも当てはまらないんだけど
なかなか興味深かった!



11.08.2011

月と蟹/道尾秀介


初めて読む作家さん。
今までもたくさんの本が出てて気になってはいたんだけど
あらすじを読んでもなんか読もうという気が起こらずに手をとらずにいたんだけど
今回のこの作品はあらすじを読んでから読んでみたいなと思ってた。
随分いろんな作品でこの人の作品は候補にはあがってたみたいだけど、
この作品で初めて直木賞受賞なのかな。

なんとなく最初から不穏な空気を匂わせていたのだけれども
じわじわと確実に近づいてくる何かが始終不気味で。

新しい遊びとしてはじめたヤドカリの神様へのお願い事。
何気なくはじめたその遊びがどんどん切実になっていく。
小学5年生って子供だけど、もう無邪気に子供ってわけでもないんだよね。
その微妙な年頃の子供たちが抱える悩み。
どうにかしたいけど自分たちではどうにもならない現実。
その中で必死にもがいてる子供たちの姿がよく描かれてて
なんだか鬱々としてしまう。
それでも最後までぐいぐいと読ませてくれて読み味は決してよくないけど
読み終わったあとについつい考えに耽ってしまう。
そして思わずにはいられない。大人がもっとしっかりしなきゃな、と。



10.20.2011

レインツリーの国/有川 浩


図書館戦争シリーズ」の中で小牧教官が毬江ちゃんに勧めて
そのことで一悶着あった本。
小説の中に出てくる小説が、実際に小説になってるわけです。
なんて嬉しい!それだけでテンション上がる。

いや〜、有川先生らしいなんとも直球の恋愛小説!
一冊の本がきっかけでその感想を書いたサイトを通しての出会い。
メールを通して始まる二人の関係、その遣り取りなんかも面白い。

耳に障害を持つ女の子の話なのだけれども
それが正面から描かれていて、彼女本人の気持ちはもちろんのこと
彼女と向き合おうとする彼の心情もうまいこと絡まってきて
ついつい引き込まれてしまうのです。
二人のなんて真っ直ぐな事!
ここらへんはやっぱり有川先生の書く登場人物たちに通じるものがあるよね。

きゅっと胸を掴まれたように痛くなったり
にやにやしたり
ちょっと感動したり、考えさせられたりと
直球恋愛小説だけどそれだけでは終わらない。
最初で出てきた二人の出会いのきっかけになった本の感想が
あんな形で二人の関係に絡んでくるとは、ん〜、素晴らしい。

読み終わったあと、また図書館戦争でのこの本を扱った巻を読むと面白い。
一冊で何粒も美味しい!


10.10.2011

ほかならぬ人へ/白石一文


またやってしまった〜。
白石さんの作品は「私という運命について」から入って、
それが結構気に入ったので、それから色んな作品を読んできて
で、その度に、なんか合わないな〜と思ってきたけど、今回も合わなかった(汗)

愛すべき真の相手は、どこへいるのだろう?
と、「恋愛の本質」を描いた文芸作品とあるのだけれども
正直どこにも感情移入ができない。
いや感情移入できるからいいというものではないけれど
とにかく心に響いてこない。それどころか、読みながらなんとも腑に落ちない。
この作品は「ほかならぬ人へ」と「かけがえのない人へ」と2編入っている。
そのどちらともが、なんだかしっくりこない。

前々から思ってたけど、白石さんの書く女性像がなんだか男に都合良くできている。
もしかしたら此処が一番のネックなのかもしれない。
この作品は、というか彼の作品は男の人が、
それも中年の男の人が読む分には入りやすいのかもしれないな、と。

10.03.2011

夢を与える/綿矢りさ


う〜〜〜〜ん、と読み終わった後、なんともいえなかった。
綿矢りささんの作品を読むのはもう随分久しぶりになる。
といっても、「インストール」を随分昔に読んだっきり。
なんとなく図書館で目について
タイトルと表紙に惹かれて手を出したのだけれども
なんだか後味はあまり良くない。

チャイルドモデルとして芸能界入りをして
ひたすらブラウン管の中で生きてきた少女が主人公。
なんだか芸能界の裏本を読んでいるようで(笑)

「蹴りたい背中」はまだ読んでないので
ちょっと今度はそっちを読んでみたいかも。


9.29.2011

神去なあなあ日常/三浦しをん


三浦しをんさん、やっぱり面白い!
この人のはエッセイも好きだけど、小説もやっぱり面白い。
今回のは高校を卒業して突然神去という小さな町に林業をするために
放り込まれたひとりの少年の話。
彼の目を通して、神去村のこと、そこで暮らす人々のこと、
林業のこと、村のしきたりやなんかが綴られているんだけれども
読みやすくてすいすいまるで自分がこの主人公になったかのように
一緒に経験してるようなそんな気持ちになる。
そしてその風景が自然と目に浮かぶから、物語に色が宿る。

余韻を残しながら、読んだ後、自分が神去村の一員になったような
そんな気持ちにさせてくれる。


9.27.2011

ひとり日和/青山七恵


はじめて読む作家さん。
季節外れだけど、なんか桜が目についたので。
で、後から知ったけどこの作品で芥川賞を取ってるのかぁ。
そして1983年生まれなので、同級生だ。
なので島田理生さんとかと同年代の作家さんということになる。

感想は、なんだか淡々と進んでいくうちに終わった、という感じ。
なんだかやる気のない主人公が、親戚のおばあさんの家に住んで
仕事をしてみたり、恋をしてみたりするお話。
でも決してきゃぴきゃぴ元気な主人公じゃなくてどちらかというと冷めてる。
一風変わりもので、何処か淡々としてる主人公。
季節ごとに話は進んでいくけど、大して大きな変化もない。

正直印象には残らない。
でも何気ないその日常の雰囲気はすごく伝わる。
他の作品も読んでみたい。


ベーコン/井上荒野


ずっと前に「切羽へ」を読んだ時に他の作品も読んでみたいと
思っていて、図書館に行ったら目についたので、読んでみる事に。
食べものの名前がタイトルの短編集で、その食べものにちなんだ話が9つ。
その中でも不倫を描いている話が多い。
といっても、決してどろどろしてるわけでもなく、どことなく淡々と。
本当に生活の一片。
そういえば、「切羽へ」でも、既婚者が別の男に惹かれる話だった。
ついついこの人はそんな恋をしてきたのだろうか…なんて思ってしまうけど。

一番印象に残ったのが「煮こごり」。
75歳の鵜飼という妻のいる男と付き合っている晴子の話。
ある日、ニュースでこの鵜飼が虎にかみ殺されたことを知るところから
物語ははじまり、そこから晴子は、
鵜飼という男の知られざる部分を知る事になる。
この男が面白い(?)男で、結局なんだったんだって話なのだけれども
なんとも印象に残った作品。
他の作品も色々と味があって面白かった。

9.21.2011

大きな熊が来る前に、おやすみ。/島本理生


3つの話が収まった短編集。
表紙とタイトルから、なんとなく嫌な予感がしていたのだけど
テーマに共通するのが「暴力」だ。


9.16.2011

どこから行っても遠い町/川上弘美


このひとは、いろんなことが、ほんとうのところ、わかっているんだろうか。それとも、ぜんぜんわかっていないんだろうか。とても危うい感じがした。でも、何も言えなかった。自分自身だって、危うかったから。世界というものがどう成り立っていて、その世界の中で自分がどういう位置にいるのか。そしてこれからどうなってゆくのか。(181)
久しぶりに読む川上弘美さん。
川上さんの「センセイの鞄」は大好きな本のひとつ。
ん〜、やっぱりなんとなく独特の雰囲気。

舞台はとある町。
そこに住む人々の話が、一話ごとに主人公を変えて綴られている。
何気ない日常なのだけれども、このふわふわ感。
川上さんのふわふわ感は、江國さんのようなふわふわ感とは全然違う。
でも、ふわふわというか、ゆるゆるというか。
そしてなんか四次元との境目がなくて、気付くと向こう側にいる。
なんて、不思議。

おれは何も決めなかったと思っていた。決めているのはおれ意外の者たちなのだと思っていた。でもそれは、ちがっていた。おれは、生きてきたというそのことだけで、つねに事を決めていたのだ。決定をする、というわかりやすいところだけでなく、ただ誰かと知り合うだけで、ただ誰かとすれちがうだけで、ただそこにいるだけで、ただ息をするだけで、何かを決めつづけてきたのだ。おれが決め、女たちが決め、男たちが決め、この地球をとりまく幾千もの因果が決め、そうやっておれはここにいるのだった。(264)

でも、読んでるとなんかそういうものなのかな〜と思ってしまう。
そのままを受け入れてしまうからまた不思議。



9.13.2011

乙女の密告/赤染晶子

乙女とは、信じられないと驚いて誰よりもそれを深く信じる生き物だ。この信心深さこそが乙女なのだ。乙女達はひそひそと囁き合って、信仰を深めていく。

はじめて読む作家さん。
この本で芥川賞を受賞しているらしい。
どこかで感想を読んで以来、ずっと気になってたのよね。

どうやらこの本は評価が真二つに分かれているようだけれども
私は、嫌いじゃなかった。
というのも好きかと問われると、また困ってしまう。
でも、一度読み終わってまたちょっと読むと味がでそうな気がする。

随分軽くあっさり書かれているようで、なかなか奥が深く、重い。

話は外語大学の女子大生の生活と「アンネの日記」が絡んで進んでいく。
色んなところに色んな意味の比喩が隠されているようで
なんだか読みながらその人の捉え方によってどうにでも捕らえられそうな
そんな中途半端さというか危うさのようなものがある。

読み終わったあとも、なんとなくもやもやとした気持ちは残ったままで
ところどころの言葉たちだけが、浮かび上がってくる。

わたしは他者になりたい。