11.11.2011

ダブル・ファンタジー/村山由佳


村山由佳さん久しぶりに読みました。
学生のころはよく読んでて、「野生の風」とか「青のフェルマータ」とかが好きで。
ちょうどアメリカ行ったあたりかなんかで「翼 Cry for the Moon」があって
舞台がアメリカのサウスウェストにしてあって共感覚えたりしたなぁ。
恋愛ものや学生ものも多いから青春小説みたいなのが多い印象もあって
しばらく遠ざかってた時期もあったんだけど直木賞受賞した「星々の舟」はよかった。
そうそう、村山さんのこういう話が好きなんだよ!と思ったのよね。

で、本題に入ると、この「ダブル・ファンタジー」はいろんな意味ですごい。
今までの村山さんの作品からするとがらり、と変わってる。
何かあったんだろうか?と思わせるような感じなんだけれども……。
年齢層もぐっとあがって、官能的で、性についてたくさん描かれてはいるけど
ある意味一人の女性の自分探しとも愛探しとも呼べるのかな。
性についてといえば村山さんの作品では「BAD KIDS」を思い描いちゃうけど
あれは完全に思春期だし、ある意味ピュアだけど、この作品はいろんな意味でどろどろ。

なんか女の欲望とか渇望とかいろんなものを見せられて
同性としては一種の嫌悪感を持ちながらも(同属嫌悪なのかな)、
わかる部分もあったりしてなんか複雑。
でも、一度読み出したら止まらなくなっちゃって
彼女はどこまで行くのだろうか、彼女の行く先は……と一気に読み終わった。
正直オチなんてものはないような気がする。
でもそれがやけにリアルというかなんというか。
もしもっと若いときに読んでたら正直嫌悪感だけが残りそうな気もする。
よくわかんないや、で終わるような気もする。
でも30近くなってなんとなくわかるような。(でももうちょっと年とって読んだら更に違うかも)

好きか嫌いかといわれるとどっちとも当てはまらないんだけど
なかなか興味深かった!



0 件のコメント:

コメントを投稿

名前/URLを選択でお名前記入をお願いします。
(匿名でのコメントはご遠慮ください)