3つの話が収まった短編集。
表紙とタイトルから、なんとなく嫌な予感がしていたのだけど
テーマに共通するのが「暴力」だ。
「大きな熊が来る前に、おやすみ」
この本のタイトルにもなっているお話。
一緒に暮らしている彼氏に、一度だけふるわれた暴力。
普段は優しい彼が見せた、歪み。
そこに、自身の父親の姿が重なる。
それぞれに抱えたトラウマ。
微かに見えた希望は、本当に希望なのだろうか、と考えてしまう。
なんとなくリアルで後味がちょっと悪い。
「クロコダイルの午睡」
テンポよくすすんでいってたら、最後にちょっとびっくり。
でも、これもまたなんかリアルでちょっと、怖い。
無神経さって、怖いわ。
「猫と君のとなり」
いままでのふたつの短編とは違って、ちょっとほっとした。
読み終わった後に、
他の二作にあった黒いもやもやとしたものはなくて
平凡だけど、あったかくて、ほんわかする。
そうなんですか。。
返信削除ぱらぱら読んで、何となく嫌な予感がして本棚に戻してしまいました。
島本理生さんの作品は「ナラタージュ」と「真綿荘の住人たち」が好きです。
>cameliaさんへ
返信削除それぞれに面白かったですよ。
最後のお話でちょっとだけほっとさせられます。
今度機会があればぜひ。
ナタラージュは私も好きです。随分読んでないからまた読みたいかも。
「真綿荘の住人たち」は読んだ事ないので、今度探してみます。