9.27.2011

ベーコン/井上荒野


ずっと前に「切羽へ」を読んだ時に他の作品も読んでみたいと
思っていて、図書館に行ったら目についたので、読んでみる事に。
食べものの名前がタイトルの短編集で、その食べものにちなんだ話が9つ。
その中でも不倫を描いている話が多い。
といっても、決してどろどろしてるわけでもなく、どことなく淡々と。
本当に生活の一片。
そういえば、「切羽へ」でも、既婚者が別の男に惹かれる話だった。
ついついこの人はそんな恋をしてきたのだろうか…なんて思ってしまうけど。

一番印象に残ったのが「煮こごり」。
75歳の鵜飼という妻のいる男と付き合っている晴子の話。
ある日、ニュースでこの鵜飼が虎にかみ殺されたことを知るところから
物語ははじまり、そこから晴子は、
鵜飼という男の知られざる部分を知る事になる。
この男が面白い(?)男で、結局なんだったんだって話なのだけれども
なんとも印象に残った作品。
他の作品も色々と味があって面白かった。

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